「紺碧夢の遊泳」ルティ

メルク「はい、そこなのです！」

ルティ「ぷは！」

メルク「そのタイミングなのですよ～！」

ルティ「ぴは！」

メルク「呼吸のタイミングはばっちりなのです！次は足をちゃんと動かすのですよ！」

ルティ「こうかな？」

メルク「そう、そうなのです！」

主人公「……、何やってるんだ……？」

ルティ「あ、主人公！どうしたの？」

主人公「いやこっちが聞きたいんだけど……。」

メルク「ルティさんと泳ぎの練習をしていたのですよ～。」

主人公「紹介所の床で！？」

ルティ「本物の海で泳ぎの練習したら溺れちゃうからメルクに手伝ってもらってたんだ！」

主人公「(いや、メルクは海で泳いだことないだろ……)」

ルティ「ありがとね、メルク！」

メルク「とんでもないのです！一緒に旅をする仲間として当然のことなのですよ～！」

メルク「ルティさんは頑張り屋さんで、私、とっても感動したのです！」

ルティ「メルクは優しいなあ……！大好き！」

メルク「私もなのです！」

ルティ「お礼のハイターッチ！」

メルク「どういたしましてのハイターッチ！なのです！」

主人公「お、俺の知らないところで熱い友情が育まれてる……。」

ルティ「よーし！それじゃあさっそく本物の水の中で練習だー！」

主人公「ええ！？」

ルティ「脚に浮きを付けるよ！」

ルティ「腰にも付けるよ！」

ルティ「最後にビート板を持ったら……！」

ルティ「ほら、完璧！」

主人公「いや、いやいやいや！」

主人公「そんなに浮きをつけたら逆に泳げないだろ！」

メルク「ルティさん、水の中で泳ぐのは、もう少し練習してからが良いと思うのですよ……。」

ルティ「うう……、でもお姉ちゃんと約束したんだよ。」

ルティ「一緒に常夏の国の海で泳いでお魚さんを観察しようねって。」

メルク「お姉さんがいるのですよ？」

ルティ「ううん。わたしが勝手にそう呼んでるだけ。本当はキノロンちゃんっていうんだ。」

ルティ「わたしがいる研究所の先輩なんだけど、お魚さんのことに詳しくて、優しくって……。私、キノロンお姉ちゃんみたいになりたいんだ！」

メルク「みゅ～！ルティさんがそこまで言うなんて、キノロンさんは素敵な方なのですね。」

ルティ「うん！お姉ちゃんと泳げるようになるまでわたし、絶対あきらめないよ！」

主人公「ルティ……。」

主人公「俺も手伝うよ。」

ルティ「え？」

主人公「１人で練習するより、３人で練習した方が上達も早いと思うしさ。」

メルク「そう、そうなのですよ！」

主人公「それに、３人でならうまく泳げるコツを見つけられるかもしれないし……。」

ルティ「主人公、メルク……！」

ルティ「ありがとう！」

ルティ「わたし、はやくお姉ちゃんと泳げるように努力するね。」

主人公「ああ、一緒に頑張ろうな。」

ルティ「よーし！そうとなったらまた練習だー！」

ルティ「主人公、見てて！メルクと一緒に練習したわたしの泳ぎを！」

ルティ「足をばたばたー！ばたばたばたー！」

メルク「みゅー！良いばた足なのです！ルティさん、その調子なのですよ～！」

ルティ「……ばた、ばたばた……。」

メルク「みゅ？」

主人公「ん？なんだか急にルティの元気がなくなって……？」

ルティ「ばた、り……。」

主人公「……。」

メルク「……。」

ルティ「ぼふぇっ！」

主人公＆メルク「ええー！？」

メルク「た、大変なのです！ルティさん、顔が真っ白なのですよ！」

主人公「だ、大丈夫か、ルティ！？」

ルティ「だ、だいじょぶ……！」

ルティ「あはは、足を動かすのに必死で息をするのを忘れてたよー。」

主人公「何で地上で呼吸を忘れるんだ……。」

ルティ「うーん、どうしてだろう？たまに自分がえら呼吸してると思っちゃうからかな？」

主人公「……、まずは顔を水につけるところから始めようか……。」