「双眼の碧翠晶」ファンタジア_include
属性補正
炎属性
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水属性
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風属性
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140%
光属性
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闇属性
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モデル
ストーリー
ファンタジア「うええ~んっ!どこにいったんですかああ~っ!」
ファンタジア「しくしく。ぐすん、しくしく……。」
ファンタジア「ダーリン。はやくかえってきて、ぐすん。」
メルク「ファンタジアさん?あの、なにかあったのですよ?」
ファンタジア「メルクちゃん。それに主人公くんも。紹介所にきていたんですね、ぐっすん……。」
主人公「ええっと、まあ……。そとからみると異様な光景だったからな。なんか青白い電光のようなものがほとばしってたし。」
ファンタジア「そんなことになっていたんですか?うう、ごめんなさい、ごめんなさい……。」
メルク「みたところ、ただごとではなさそうだったのですが。さっきのはファンタジアさんのエレキの力だったのです?」
ファンタジア「たぶん、わたしが泣いちゃったせいで、このコが不安定になったんだと思います。」
主人公「へえ、そういうこともあるんだな。感情がたかぶるとエレキが暴走するのか……?」
ファンタジア「はい、ダーリン、いってました。」
ファンタジア「理屈はわからないんですけど。もとは、わたしのねむっていた遺跡にあったエレキで。ほかのものより、ひときわつよく同調しちゃうんです。」
ファンタジア「だから私が泣けば、このコも涙をながしたり。わたしが笑えば、目元をゆるめたりして。ふふ、ちなみに碧眼ちゃんっていうんですよ。」
主人公「まあ、そのまんまというか。たしかにファンタジアのエレキって目玉っぽいよな。」
ファンタジア「ふふふ。ぱっちりひらいたかわいいおめめです。さっきは泣いちゃってごめんなさい、いいコいいコ。」
メルク「かわったエレキなのですね~。まるで生きているようなのですよ。」
主人公「もしかしたらファンタジアの出生に、なにか関係があったりするのかもしれないな。」
ファンタジア「ダーリンもいってました。でもまだ、なにも思いだせないんです。」
主人公「以前の記憶、か。まあべつに、いそぐようなことではないよな。」
ファンタジア「ふふふ。きょうの主人公くん、ダーリンみたいですね。」
ファンタジア「わたしよりもちっちゃいのに、しっかりしてて。いつもわたしを、あんしんさせてくれるんです。」
ファンタジア「なのに、どうして。ダーリン、ううう~!」
ファンタジア「うえ~ん!どこいったんですかああ~っ!」
メルク「みゅわわわわっ!?碧眼ちゃんがあばれはじめたのですよ~!?」
主人公「ファンタジア!?お、おいっ、碧眼ちゃんをとめてくれっ!」
ファンタジア「わわっ、ごめんなさい!そうだっ、こんなことしてる場合ではないんです~!ダーリン、わたしのそばをはなれちゃだめなんです!」
メルク「みゅ、もしかして、ファンタジアさんのダーリンさんがいなくなったのです?」
ファンタジア「は、はいっ。ダーリン、エレメント依存症だから。エレキのないところでは生活できなくて。」
ファンタジア「ダーリンは特異な体質なんです。わたしのエレキでなければ、不調をきたします。」
メルク「ファンタジアさんの……?」
ファンタジア「わたしのせい、なんです。ダーリンは後天性の依存症です。」
ファンタジア「むかし遺跡を探索していたダーリンが、わたしをたすけてくれたときのことなんですけど。」
ファンタジア「ダーリンが事故で、大怪我をしちゃったんです。わたし、もうどうしたらいいかわからなくて。」
ファンタジア「わたしにあるのは、このエレメントだけでした。けどそのおかげで、ちょっとだけ思い出したんです。」
ファンタジア「わたしのエレメントは、ただの飾りものではないということ。不思議な力をもっていて、治癒の効能があったということ。」
ファンタジア「調石もなにも知らなかったわたしは、エレメントをけずって、ダーリンに食べさせました。」
ファンタジア「ダーリンはたすかりました。でも、エレメント依存症になってしまったんです。」
主人公「なるほど。それでファンタジアのそばをはなれられないのか。」
ファンタジア「はい。わたしのせい、なんです。」
主人公「まあ、そのおかげでたすかったわけだし。ファンタジアがそこまで悲観することはないと思う。」
主人公「でも、エレメント依存症か。あんまりはなれたところにいるとまずいな。」
メルク「そういうことならいそいで、ダーリンさんをさがしにいくのです!ファンタジアさん、私たちも協力するのですよ~!」
ファンタジア「あ、ありがとうございますっ。はやくダーリンをみつけてあげないと……!」
メルク「ダーリンさんはファンタジアさんのそばをどのくらいのあいだはなれていられるのですよ?」
ファンタジア「どう、でしょう。エレキと体内調整用エレメントをもっていますので。いますぐに容態が悪化するわけではないと思います。」
主人公「だけど、そのひとからなんの連絡もなかったのか?」
ファンタジア「はい、なにもありませんでした。今朝、わたしたちは紹介所にきていたんです。ダーリンはとなりで、新聞を読んでいたんですけど。」
ファンタジア「わたし、つい寝ちゃって。起きたときにはもう、いなくなってました。」
主人公「なるほど……。」
ファンタジア「こんなこと、いままでいちどもなかったんです~!」
紹介所のお姉さん「あら。ファンタジアちゃん、まだいたの?」
ファンタジア「紹介所のお姉さん。まだって、どういうことでしょうか?」
紹介所のお姉さん「私はてっきり、ふたりでエレキの国へ向かうのかと思ってたけど。」
紹介所のお姉さん「なんでも、エレメント依存症の治療法がみつかったんでしょ?」
ファンタジア「へっ!?」
ファンタジア「ええっと。もしかして、きいてなかったのかしら……?」
紹介所のお姉さん「さっき、エレキの国からきた旅人がおしえてくれたのよ。あなたといっしょにいた男の子に、依存症のことをね。」
主人公「旅人、ですか……?」
紹介所のお姉さん「ええ。黒髪の怪しげな男性と礼儀ただしい茶髪の少女だったわ。」
主人公「へえ……。」
ファンタジア「ダーリン。わたしにはひとこともなかったのに。」
主人公「いてもたってもいられなかったのかもしれないな。ほら、ここのすみにちゃんと書きおきっぽいのがあるぞ。」
ファンタジア「あっ、その新聞!ダーリンが読んでいたものです!」
メルク「みゅふふ、ファンタジアさん。『心配しないで。ちょっといってくる』とあるのですよ。」
ファンタジア「……。」
ファンタジア「もしかして、ダーリン。いまの関係が、いやだったのでしょうか。」
ファンタジア「依存症が治療されるなんて。とてもうれしいはずなのに、なんだか複雑な気分です。わたしのそばをはなれていってしまうなんて、いやです。」
ファンタジア「できることなら、ずっと。わたしに依存していてほしいのに……。」
主人公「いや、この文面だと体質が改善されても、ファンタジアのところにもどるみたいだぞ。」
主人公「これってつまり、依存症だからそばにいるとかではなく、ただファンタジアといっしょにいたいってことだろ。」
ファンタジア「ダーリンが……?」
メルク「たしかに依存ではなくなってはじめて、ふたりは対等な関係になれるのかもですね。」
ファンタジア「……。」
ファンタジア「依存ではなく、対等……。」
ファンタジア「ふふ、そんな関係もあるんですね。考えたことも、ありませんでした。」
ファンタジア「でも、なんだかステキな関係だと、そう思います。」
備考
ユニスト内の黒髪の怪しげな男性と礼儀ただしい茶髪の少女は「紫燐灰の誘惑」アメシストと「弾み心の旅人」カルセと思われる