「妃鍵の門番」メルローゼン

メルローゼン「フフン。ども、こンちわ〜っ。」

　　　主人公「今日はそっちの恰好か。どうしたんだよ、メルローゼン。」

メルローゼン「ンなっ！　いかにも興味なさげな反応！　せっかくあたしから出向いてやってンのに！」

　　　主人公「いや、だって。おおかた、ただの暇つぶしだろうなと。」

メルローゼン「ぬぐっ！？　ま、まあそこは否定しないけど。それはともかく、な〜ンども言ってるだろ！　あたしはこっちがありのままの姿だからな！」

　　　主人公「ああ。もちろん、わかってるけど。」

　　　メルク「初めて会ったときは祭司さんだったので、やっぱりあちらの印象が残っているのですよ。」

メルローゼン「フン。ど〜せ、主人公は別の理由だろ。あたしの豊満な肉体を拝めなくて残念ってンだろ。」

　　　主人公「いや、ないから！　まったくもって考えてないから！」

メルローゼン「ニョホホホ！　んべろべろべろべ〜っ！　はあ。アホらし。」

　　　主人公「いや、おかしいだろ。なんでメルローゼンが脱力してるんだよ。」

メルローゼン「うっさい。主人公がそっけないからだろっ。せ〜っかく。このあたしが退屈しのぎに手を貸してやろ〜ってンのに！」

　　　主人公「あ、はい。できればもうちょっと歯に衣着せてほしいんですけど。」

　　　メルク「そういえば、仕事はいいのですよ･･････？　たしか、庭園の門番をしているとか言っていたような。」

メルローゼン「あんまりヒトこないもン。本当は勝手に抜け出しちゃダメなんだけど。いずれにせよ、ロワがいるから心配無用だ。」

　　　主人公「まあ、メルローゼンは頼りになるし。協力してくれるなら、ぜひ力を貸してほしいところだな。」

メルローゼン「い〜よン。」

　　　主人公「機嫌を損ねてたわりに、えらくあっさり決めたな。今回はどのくらいのあいだ、同行できるんだ？」

メルローゼン「う〜ン。まだ未定。いちおうな。ひとつ、気になってることがあって。」

　　　主人公「へえ。目的があるのか。」

メルローゼン「おい、主人公。おまえ、あたしをたんなる放蕩者と思ってンだろ。」

　　　主人公「ええっと。まあ、ちょっとだけ･･････？」

メルローゼン「はあ、もうい〜や。いちいち怒ってるとキリがないからな。ブレイデンだよ。あいつ、ど〜したンかなと思って。」

　　　メルク「みゅ。ブレイデンさんに会いたいのですよ？」

メルローゼン「ン？　いや、そのつもりはないかなあ。知りたいの。あいつが変わることになった、キッカケ。もとからヘンなヤツではあったけど。以前は物腰の穏やかな、無口な男だったもン。」

　　　主人公「そうだったのか？　なんていうか、あんまり想像できないな。」

メルローゼン「ふ〜ン。ふたりにとっては、いまのほうがあいつらしいのか。」

　　　主人公「なあ、もしかして。メルローゼンはブレイデンさんみたいになりたいのか？」

メルローゼン「は？　ど〜して。」

　　　主人公「いや、ずいぶん気になってたみたいだから。ブレイデンさんのことが羨ましいのかなと思って。」

メルローゼン「あたし、いまの立場に不満はないよ。ずっと、ロワといっしょにまどろンでいられたら。でも、ブレイデン。気楽そうにやってたンで、ちょっと気になったわけ。あいつを見てると、妙な気分になった。ロワも、いつか変わっちゃったりすンのかなとか。いまの関係に、おしまいがあるなンて考えたこともなかったし。ニョホホ！　まあコドモの主人公にはわからン話だろ〜な！」

　　　主人公「たしかにそうかもしれないけど、小さいほうのメルローゼンに言われたくないから！」

メルローゼン「おいっ！？　だからこっちがあるべき姿なンだっつ〜の、このナス！」