「星想の紅旋角」マギナアリス_include
属性補正
炎属性
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150%
水属性
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100%
風属性
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100%
光属性
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100%
闇属性
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100%
モデル
ストーリー
(平原・夜)
マギナアリス「おねえさま・・・・・・。そとはすこし、ひんやりしています。なんだか、ふしぎなにおいもします。」
マギナアリス「じっとしていると、風が体温をうばっていきます。さざめく草葉をみつめていると、大地の息吹を感じます。」
マギナアリス「そして夜空には、満天の星・・・・・・。」
マギナアリス「ふふふ。おねえさまやチシャに教えていただいた星座たちが、あんなにたかいところで、わたしを見下ろしています。」
マギナアリス「チシャが寝室に描いてくれた星座も、うっとりしてしまうくらいきらびやかなものでしたが、この星々のまたたきとくらべるものではありませんね。」
マギナアリス「これが、そとの世界・・・・・・。」
マギナアリス「天蓋の隙間から星の壁画をのぞきみるだけだったわたしが、ずっとあこがれつづけてきた、あの夢の舞台なのですね。」
マギナアリス「ですが、どういうことでしょうか。わたしはただ歩いていただけだというのに・・・・・・、」
マギナアリス「髪や羽が泥にまみれて、ラメルが掃除したあとの箒みたいになっています。どこか、洗えるところはないでしょうか・・・・・・。」
(紹介所)
マギナアリス「ごめん、ください・・・・・・。どなたか、いらっしゃいますか?」
メルク「みゅ? こんな夜更けにお客さんのようなので・・・・・・、」
主人公「うわっ、泥だらけだな!」
マギナアリス「あの・・・・・・、もしよろしければ、髪と羽の手入れをさせていただきたいのですが・・・・・・、」
主人公「あ、ああ! 水と布巾もってくるから、ちょっと待っててくれ。」
マギナアリス「はい・・・・・・。」
(暗転)
主人公「あてもないのに、空の国から着の身着のままやってきたのか?」
主人公「俺たちも仲間をさがしていたからよかったとはいえ、ずいぶん思いきった判断というか・・・・・・。」
マギナアリス「はい、思いきってしまいました・・・・・・。」
マギナアリス「このような体をしていますから、あまり役にはたてないかもしれませんが、しばらくのあいだ、お世話になります。」
主人公「ん? どこもわるいところがあるようにはみえないけど・・・・・・、」
マギナアリス「わたし、空を飛べないんです。この翼では、角の重量をささえられませんから・・・・・・。」
メルク「もしかして、その白い髪飾りのようなものが、マギナアリスさんの角なのですよ?」
マギナアリス「は、はい・・・・・・。」
メルク「鮮やかな紅髪にあっていて、とてもきれいなのですよ~!」
マギナアリス「そうでしょうか・・・・・・? 褒めていただけるとは、思っていませんでした。
マギナアリス「でもわたし、地毛は真っ白なんです。おねえさまやおかあさまといっしょ、です。」
主人公「へえ。ということはその髪、だれかに染めてもらったのか?」
マギナアリス「いえ、ちがいます・・・・・・。わたし、髪に魔力をたくわえてしまう体質なんです。」
マギナアリス「なので力を行使すれば、脱色してしまいます。傷を癒しているときは魔力が角に集中しますので、こんどはこちらが深紅に染まります。」
主人公「髪から角に魔力がながれていくんだな。あまりきいたことのない体質だけど・・・・・・。」
マギナアリス「この体には、サイ族の血がながれています。だからわたしにとって、角は力を媒介するものなんです。」
マギナアリス「クォーターのおかあさまは角を持たない天空の民でしたが、わたしだけはサイ族の血を色濃く継承したようです。」
メルク「みゅふふ、寝るときはすこし不便そうなのですよ~。」
マギナアリス「そこは、もう慣れました・・・・・・。」
マギナアリス「・・・・・・。」
マギナアリス「地上の民は、わたしのすがたをみてもおどろかないのですね。」
主人公「え?」
マギナアリス「ほんのすこしまえまでは、じぶんでも受けいれられていなかったんです。ただひとり、生まれながらに角をさずかったこの身を。」
マギナアリス「おねえさまのすがたにちかづきたかったわたしは、宮殿のなかでもところかまわず力をつかいました。そしてこの髪を脱色することで、溜飲をさげていました。」
マギナアリス「そんなところをみていたおねえさまは、わたしをけして宮殿のそとにだそうとしませんでした。」
マギナアリス「だからわたし、これまでずっと宮殿のなかで暮らしていたんです。」
マギナアリス「おねえさまはわたしが傷つくことをおそれていました。このすがたでアプネティアの街を歩けば、やはり奇異の目にさらされてしまいますから。」
主人公「・・・・・・。」
マギナアリス「ふふふ・・・・・・。」
マギナアリス「おねえさまやおかあさまも、こまったときはいつだってそんな顔をしていました。」
メルク「マギナアリスさん・・・・・・?」
マギナアリス「ちょっといじわるだったでしょうか。わたし、いまはこのすがたを受けいれられています。」
マギナアリス「だからこうして、そとの世界に足を踏みだしたんです。宮殿はいまごろ大騒ぎかもしれませんが・・・・・・、」
主人公「まさか勝手に抜けだしてきたのか・・・・・・?」
マギナアリス「いえ、きのうはわたしの誕生日でしたから、みんなに『そとの世界をみたい』とお願いしたんです。」
マギナアリス「おねえさまも笑いながらうなずいてくれました。でもきっと、真に受けてはいなかったと思います。」
主人公「・・・・・・。」
メルク「そ、そとにでた経緯はともかく、自信をもてるようになってよかったのですよ~!」
マギナアリス「それは、とある従者のおかげなんです。おねえさまにつかえる従者で、名はロミアチシャといいます。」
マギナアリス「いつの日だったか、わたしの寝室にやってきたチシャは壁にいきなり落書きをはじめたんです。」
マギナアリス「チシャが描いていたのは、夜空でした。落書きにもかかわらずそれはとてもじょうずなもので、いくつもの星が、きらきらとかがやいていました。」
マギナアリス「そしてチシャはわたしに、星座にまつわるおはなしをきかせてくれたんです。」
マギナアリス「おはなしにはわたしのなやみなんてかすんでしまうくらいふしぎな人間や動物たちがいっぱいでてきました。気づけばわたしは夢中になっていました。」
マギナアリス「それからというもの、ラメルやハァト、ほかの従者たちが毎夜いれかわるようにやってきて、夜空にまたたく星々のものがたりをはなしてくれました。」
マギナアリス「いつしか語り手にはおとうさまやおかあさま、親愛なるエデンエリスおねえさまもくわわっていました。」
マギナアリス「そしてものがたりの舞台はいつも、そとの世界でした。やがてわたしは、そとにあこがれをいだきはじめたんです。」
メルク「みゅふふ、念願の夢が叶った気分はどうなのです?」
マギナアリス「そう、ですね・・・・・・。」
マギナアリス「いまのわたしには、この目にうつるものすべてが、星のようにかがやいてみえます・・・・・・。」
(平原・夜)
マギナアリス「・・・・・・。」
主人公「空に手をかかげてどうしたんだ?」
メルク「なにかみつけたのですよ?」
マギナアリス「いえ・・・・・・、」
マギナアリス「いくら手をのばしてもとどかないので、すこし残念です。寝室に飾られた星々は、いつもわたしのそばにありました。」
マギナアリス「わたしの翼では、星屑のただようあの空の果てに、ちかづくことすらかないません。」
マギナアリス「でも、とどかないものだから、そのかがやきはうばわれることなく、ひとびとに夢をあたえつづけてきたのかもしれませんね。」
備考
「信愛なる祈り」タァトハァトは姉の従者