「繰り牽く耀糸」ノーヴィアス_include
属性補正
炎属性
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水属性
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風属性
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90%
光属性
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100%
闇属性
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140%
モデル
ストーリー
ノーヴィアス「こんにちは、今日は仲間を探しに?」
主人公「……ノーヴィアスさん、なにやってるんですか?」
ノーヴィアス「ははは、驚かせちゃったかな。バイトだよ。紹介所のお姉さんの代わりに受け付け番をしてるんだ。」
主人公「なんかノーヴィアスさんの口からさらっとバイトって出るのが意外です……。」
ノーヴィアス「そうかな。これでも学生時代はなかなかの勤労学生だったんだよ。お金がなかったからバイトをいくつも掛け持ちしたりね。」
主人公「ええっ!ノーヴィアスさんにそんな苦労が……。」
主人公「それにしても、どうしていきなりバイトを?今はお金に困ってるわけじゃないんですよね?」
ノーヴィアス「まあ、昔ほどはね。ミュスクルさんがうまいことやりくりしてくれてるし。」
ノーヴィアス「紹介所でバイトをしてるのは、ここにはたくさんの人が訪れるからだよ。王国だけじゃなくて、その他の国から来た人もね。」
ノーヴィアス「受け付け番をしていれば、各国の人々がどんなふうにモンスターと接しているのかを知ることができる。」
主人公「なるほど……、そういう理由だったんですね。そういえばノーヴィアスさんが旅に出たのはモンスター研究のフィールドワークのためでしたもんね。」
ノーヴィアス「そうなんだ。とりわけ王国には、前々から1度、来てみたいと思ってたんだよ。」
ノーヴィアス「癒術士がいる国だし、モンスター先進国だと言われているからね。」
主人公「モンスター先進国?」
ノーヴィアス「モンスターとの共存が進んでるところって意味だよ。だから、今度はぼくがユウくんたちに学ぶ番だね。」
主人公「ええっ!俺から学べることがあるかどうか……。」
主人公「とはいえ、王国と科学の国ではたしかにモンスターに対しての雰囲気が違いましたね。」
ノーヴィアス「そうだね。ぼくらの国では、王国ほどうまくモンスターとの距離をとれないから。」
主人公「距離?」
ノーヴィアス「たとえば、王国では森や草原の中に町や村がある。整備されているところもあるけれど、それでも多くの地域ではありのまま、自然豊かだ。」
ノーヴィアス「だから、モンスターたちはたとえ町にいたとしても、もともとの棲み処である山や森へと気軽に行き来ができる。」
主人公「それは……、そうですね。その逆もしかりって感じだし……。」
ノーヴィアス「一方で、ぼくたちの国では基本的に町からそうした自然は排除されている。」
ノーヴィアス「ぼくたちは、襲い来るモンスターから身を守るため森からモンスターを追い出し、手に入れた土地を焼き、科学の力をもって発展し、輝く町を作り上げてきたから。」
主人公「そんな歴史が……。」
ノーヴィアス「その歴史の中で、モンスターたちも変化を遂げてきたよ。別の森へと移らずに街の傍に棲み続けたモンスターたちはいつのまにか町の地下や裏路地に棲み処を移していた。」
ノーヴィアス「人間たちはモンスターたちをすっかり遠ざけられたと思っていたけど、彼らはときに生態を変えて、環境に適応してきたんだ。」
ノーヴィアス「それからは外でも内でもモンスターとの小競り合いだ。」
ノーヴィアス「町に棲むモンスターにはやけに賢い個体もいて、外からのモンスターのように直接人間を襲うんじゃなくて、仲間を率いて、じっと機を窺う個体もいたらしい。」
主人公「なるほど……、距離ってそういうことだったんですね。王国ではモンスターは外からやってくる存在だけど、科学の国では町の中にひそんでる……。」
ノーヴィアス「その通り。今では癒術士のおかげで町中での小競り合いは減ったし、モンスターとの共存を目指す町も現れてきた。」
ノーヴィアス「だけど、その代わりまた別の問題も出てきていてね。そのうちのひとつが、モンスターによる意図的ではない被害だ。」
ノーヴィアス「いくら環境に適応したとはいえ、かつての習性や整体が完全になくなったわけでもないし」
ノーヴィアス「モンスターにとっては些細なことがぼくらにとっては大きな被害になることもある。」
主人公「やっぱり、モンスターと住む場所をまったく同じにして暮らすのは大変なんですね……。」
ノーヴィアス「そうだね。だけど、それでもやりようはあるはずさ。」
ノーヴィアス「なぜならぼくらは、理性と知性ある生き物のはずだから。」
主人公「……。」
ポーッ!
主人公「あれ、ノーヴィアスさんにハト便みたいですね。」
ノーヴィアス「ああ……、母からだ。」
主人公「す、すごい高そうな紙ですね。」
ノーヴィアス「実家はそれなりに裕福なんだ。」
主人公「え、それならどうしてバイトを……。」
ノーヴィアス「学生の頃に親と進路のことで喧嘩して、家を飛び出してね。それからは家賃も食費も学校で必要なお金も自分で払っていたから。」
主人公「たしかにそれはバイト三昧になりそうですね……。」
ノーヴィアス「とはいえ、学業への支援はしっかりしてる国だからそこまで大変でもなかったよ。」
ノーヴィアス「バイトの内容だって、まあ……、たまには変なのもあったけどたいていは勉強になることが多かった。」
ノーヴィアス「きっと、父はぼくが音を上げて頭を下げに来ると思っていたんだと思う。」
ノーヴィアス「だけど、ぼくはどうしてもモンスターのカウンセラーの道に進みたかったから。」
主人公「それが喧嘩の原因だったんですか?」
ノーヴィアス「父はモンスターがあまり好きでなくてね。母もそうだけど、ぼくを心配してこっそり手紙を送ってくれる。」
ノーヴィアス「たいていは父をとりなすから家に戻るようにという内容だけどね。」
ノーヴィアス「……。」
主人公「ノーヴィアスさん?」
ノーヴィアス「いや、ぼくも向き合わないといけないなと思って。」
主人公「向き合うって……、お父さんたちにですか?」
ノーヴィアス「そう……、ずっと遠ざけるばかりだったけどそのままじゃなにも始まらないことを思い出したから。」
ノーヴィアス「ぼくはモンスターを追いかけるあまり、いつのまにかもうひとつの大切にすべきものを忘れていた。」
ノーヴィアス「モンスターだって人だって、信じようとする気持ちがなければなにも始まらないというのは同じなのにね。」
備考
ノーヴィアスとバメルのマスク